ーABOUTー

カンボジアでの医療支援

「救えるはずの幼い命が
     こんなにもあるなんて……」

日本と比べると遥かに高い新生児死亡率を少しでも下げるため、私たちは新生児蘇生法(NCPR)に着目しました。
香川大学医学部の先生方や現地で活動されている特定非営利活動法人サイド・バイ・サイド・インターナショナル(SBSI)様にお力をいただきプロジェクトを進めています。

〜新生児死亡率•死亡数を示すデータ〜

新生児死亡率(%)新生児死亡数(人)
カンボジア145257
日本1782
日本ユニセフ協会『世界子供白書2021』より

ーISSUEー

カンボジアの医療の課題

■医療に関わる歴史

カンボジアは1970年代のポルポト政権下における大量虐殺により、わずか4年の間に当時の人口800万人のうちおよそ300万人が亡くなりました。殺害の中でも、集中的に殺害の対象となった多くは知識人とされる教師や医師でした。400人ほどいたとされる医師のうち生き残ることができたのはたった40人ほどであったと言われています。その後の1990年代までの内戦により、カンボジアの医療の基盤は失われてしましました。

■赤ちゃんを救うための知識や技術の不足

歴史的な背景もあり、カンボジアの医療は遅れていると言わざるを得ません。
その中でもU-dawnは新生児医療に着目し、その高い死亡率を下げるために何かできないかとプロジェクトを開始しました。
現地協力者への調査により、日本では行われる新生児蘇生法(NCPR)の普及が進んでいない状況を知りました。


ーSOLUTIONー

NCPRを広げる講習会

■訓練用人形の必要性



NCPRを学ぶ際には座学の他に、訓練用赤ちゃん人形を用いた実技を学ぶ必要があります。この訓練用人形にも複数種類がありますが、U-dawnは香川大学附属病院小児科の先生に助言をいただき、左の写真のような人形を購入することにしました。

こちらは2021年12月から2022年1月にかけて実施したクラウドファンディングによって資金を集め、2体の人形とその他訓練器具を購入し、現地NGOのSBSI様に寄贈しました。

■まずは自分たちが学ぶ


香川県は全国の中でも新生児死亡率が低く、過去には全国で1番赤ちゃんが亡くならない県と新聞に取り上げられたこともあります。私たちU-dawnは2021年5月に香川大学附属病院小児科の先生のご厚意により、附属病院にてNCPR(新生児蘇生法)講習会を受ける機会をいただきました。


各自が教科書を用いて予習をして当日の最初にプレテストを受けました。その後、インストラクターから座学と実技を学び、最後に修了認定のためのテストを受けました。U-dawnからは6名が参加し、全員が認定を受けました。

■講習会の実施

人形を寄贈するだけが支援ではありません。
カンボジアにてNCPRの知識と技術を「学ぶ」・「教える」教育の循環を作ることで、カンボジア人の学びの意欲を、継続的・自立的に伸ばし、カンボジアの新生児死亡率を低下させることが医療支援プロジェクトのゴールです。


2022年5月
1人のメンバーが渡航し、クメールソビエト友好病院でのNCPR講習会開催に携わりました。


2022年8月
カンボジアに3人のメンバーが渡航しコンポントラッチ州立病院でNCPR講習会を開催しました。講師はカンボジアの国立小児病院の先生に担当していただきました。

2023年3月
3人のメンバーがカンボジアに渡航し、コンポンチュナン州立病院でNCPR講習会を開催に携わりました。午前に座学、午後に実技の時間が設けられ、受講者全員が熱心にNCPRの習得に取り組みました。

2023年8月
4人のメンバーがカンボジアに渡航し、タケオ州立病院にてNCPR講習会を開催しました。医師、看護師、助産師ののべ22人に参加していただきました。講習会の前後で実施する知識の確認テストの結果について、全ての職種で約50%の向上が見られました。


ーOTHERSー

NCPR以外にも

■救急救命講習会

2023年3月、カンボジア赤十字プノンペン支部にて救急救命講習会を行いました。現地のボランティア団体に所属する29人の高校生を対象とし、全員が真剣に技術習得に取り組みました。

■白衣の寄贈

カンボジアの地方の貧しい保健センターでは医療スタッフの白衣が十分にない状況です。そこで、香川大学医学部の医局の医師や事務員の方に協力をお願いし、もう使われていない白衣の回収を行いました。

なんと73着もの白衣が集まりました!協力していただいた方々、ありがとうございました。

2023年3月の渡航にて、現地の医療従事者の方にお渡しました。73着全てを現地に持って行くことはできなかったため、夏に予定している渡航にてまたカンボジアの方々に届けられればと考えています。